今回は青森県、岩手県、宮城県、福島県、茨城県沿岸部から、114社の水産加工業者等が出展しております。その中から本当に一部ですが、企業ブースや企画ブース等の様子をお伝えします。
いかの不漁が伝えられる昨今。その五戸水産が今回打ち出した製品は「いかの軟骨」に焦点を当てた商品です。定番の軟骨唐揚げからみりん醬油に漬け込んだ軟骨など、多彩な軟骨製品を展示・試食。多くの問い合わせを受けているとのことでした。
「美味しさひとしお」をモットーに、八戸から三陸の味を送り続けている同社。今回おすすめ商品は、ファストフィッシュに対応した「さばの味噌煮」・「にしんの煮付け」です。「毎日さかな」をコンセプトに商品開発を行い、レンジで温めるだけで骨まで食べることができる商品に仕上げました。魚を食べるきっかけを作り、魚食拡大に貢献したいとおっしゃっていました。
国産秋鯖を使用した水産加工品の製造・販売を行っています。今回のイチオシ商品は写真にもある「サバディップ」。原材料は青森県産のさば・にんにくを使用し、魚を焼かない・小骨が気になる方が多いと言われる若者世代を意識した商品に仕上げました。ご飯とパンのどちらにも合う「サバディップ」を今後の柱の一つに育てていきたいとのことで、多くの来場者を集めていました。
設立から半世紀を数える同社。本展示商談会では宮古工場からの出展です。おすすめの商品は2015年から発売している「be美海(びみうみ)スープ」。女性向け製品として開発された製品ですが、当初の想定ターゲットを超えて男性からも高い評価を受けているそうです。スープのほか、肉厚で美味しいカットわかめも試食を出されていました。
30年以上の歴史を持つカットわかめをはじめ、大船渡の工場で海藻加工品を製造されています。 岩手県産ワカメを中心とした加工品は乾燥品・塩蔵品・冷凍品を揃え、用途に合った商品提案が可能とのこと。ブースにはわかめレシピも並べ、岩手わかめの品質を前面にアピールされていました。
釜石市に工場を構える同社。看板商品の「いかの丸干し」は麦イカ(小さいスルメイカ)をワタごと干しており、炙るだけでなく、煮物やパスタの具に使ってもコクと旨みが味わえます。また、着色料・人工甘味料不使用の「無着色サンマ味醂」も大変美味しく、いずれも生産者のこだわりが感じられる製品です。
日本初の「いか塩辛全自動製造機」を開発した同社を代表する「いか塩辛一本造り」は独自の製法によりマイルドな味に仕上げた商品で、多くの方が足を止めて試食されていました。いかの原料事情が厳しい昨今ですが、40年以上の歴史を持つ定番製品をしっかりと作っていきたいと仰っていました。
殻付かきなどの生製品にはじまり、佃煮・燻製・かきご飯の素など加工品の開発・販売も石巻の企業です。かき・ほや・さばなど様々な加工品を扱われています。おすすめの商品はかきグラタン、かきフライとかきへのこだわりが商品からも伝わってきます。多くの来場者が興味を持ってブースを訪れていました。
震災による工場全壊を乗り越え、笹蒲鉾を中心とした練製品を製造・販売されているメーカーです。新発売の「海鮮蒲鉾」は上質のすり身に厳選素材を乗せて蒸し上げた、まさに「海鮮」を楽しめる一品で、記念日などでの「プチギフト」として、普段かまぼこを食べない人の手にとってもらえるような商品としてアピールしていきたいと仰っていました。初夏を意識したブースのレイアウトも高級感の演出を手伝い、多くの来場者の目を引いていました。
福島県沖で漁獲された新鮮なサバ、イワシ、小女子の冷凍加工品を展示していました。さんまのポーポー焼は、小名浜の郷土料理でサンマを3枚に下ろし細かくして叩き、ねぎ・生姜・味噌を加え丸めて焼き上げたものです。又、「小名浜港で水揚げされたカツオは、安心・安全である」ことを理解していただくために商品化された缶詰「福島 海の宝 かつおフレーク油漬け」やかつおの浅炊きレトルトパック(2種類)とセットのギフト用詰め合わせもあり、福島県産の豊富な水産加工品に多くの来場者が立ち寄っていました。
みりんを使っていない、当社秘伝の70年の歴史のあるタレを使ったみりんぼし“味丸さんま極旨干し”が展示され、試食できました。特別な砂糖と塩で作られたタレだそうで、味もシンプルで(甘みも強くなく)、さんまのうま味を引き出しています。又、このタレで造った干物は、さめても柔らかいそうです。さんまの他、いわしやめひかりの極旨干しも展示されていました。現在は、ギフト用や観光センター・直売店等で販売しており、この商談会で高級スーパー、専門店等にも販路を広げてゆきたいとのこと。
当社の、水揚げされたばかりの小女子やわかさぎを鮮魚の状態から炊き上げる「生炊き製法」は、素材や鮮度を活かした製品として大変人気があるそうです。又、わかさぎの飴煮は、小サイズのものを食べやすくふっくらとソフトな感触に炊き上げているので、子供から年配の方まで人気の商品となっているそうです。さっそく試食させてもらうと、食べやすさと同時にわかさぎの旨みが口内に広がり、デパ地下などで根強い人気があるのが頷けました。
昨年より、まいわしが豊漁で「いわしのレモンじめ」を再開し当社の人気商品となっている。調味酢とレモンだけの味付けで、カルパッチョやパスタ等幅広く料理に利用されているとのこと。一方、当社100年の伝統ある「いわしのさくらぼし」(カタクチイワシ)は、小さいながらずっしりと伝統の味わいを感じさせる。その他、サンマ・サバ・イワシの熟成味醂干等展示していましたが、麹を使わない無着色の味醂干もバイヤーさんから評価されているとのことでした。
同大学では、経営学を学ぶゼミナールと地元の加工業者が連携して商品開発を行っています。代表的な商品は、新鮮な三陸産のさばを使用した「サバだしラーメン」で、現在発売されています。今後も多様な連携の下、地域性を生かした商品開発で復興に貢献したいとのことでした。
同校ブースでは、米粉入りかまぼこ「こめぼこ」の取組みを展示していました。 高大産で連携し、合同で田植え、こめぼこ製造実習、野球場での販売、稲刈りを通して成果をまとめたいとのこと。人と地域が協働し、新たな人・街づくりのヒントになればとのことでした。
親潮と黒潮が交わり、世界三大漁場に挙げられる漁業資源を持つ三陸沖。同会では、鮮度と品質にこだわる「三陸プライド」を前面に、三陸の海の恵みを紹介しています。豊かな海と匠の技を駆使した商品を全国に届けたいとのことでした。
同会では、まだ全国的に知られていない東北の優れた産品を発掘・紹介する「東北発!百貨店推奨ブランドカタログ」を作成しています。全国の百貨店にこのカタログを配布し、多くのお客様に東北の魅力を伝えることで、震災復興に少しでも役立ちたいとのことでした。新たな一歩を踏み出した東北の素晴らしい商品をお楽しみください。
それぞれの地域の特産品の案内や魚市場の高度衛生管理、新規航路就航による物流の改善等、地域の復興に向けた取り組みの説明を行っていました。
成約率が高いとされる事前マッチング型の個別商談会が今年も企画され、会期中の2日間で国内56社のバイヤーと483商談が行われました。
シンガポール、ベトナム、オーストラリア、香港か ら招聘した水産バイヤー個別商談会を実施しまし た。またこのほか、別会場で海外主要市場に向けた 水産物輸出のセミナーが行われ、海外輸出を目指す 水産加工業者等多くの参加者が熱心に耳を傾けてお り、海外市場への関心の高さが伺えました。
日替わりで各分野のアドバイザーが対応。販路回復に向け、多くの相談が寄せられました。
※レポートの内容および登場者の所属・役職等は記事公開当時のものです。