今回は、青森県、岩手県、宮城県、福島県、茨城県沿岸部から、131社の水産加工業者等が出展しております。その中から本当に一部ですが、企業ブースや企画ブース等の様子をお伝えします。
八戸市で、かに製品を中心に取り扱っており、今回の一押し商品としてご紹介頂いたのは、「蟹柱(かにばしら)」こちらは、茹でたとげズワイガニの棒肉を低温乾燥させ、かにの旨味が凝縮した逸品です。その他にも、オリーブオイル漬け加工した新商品等、新しい取り組みを次々と続けている会社です。かにも原料不足や高騰の影響を受けやすい商材ですが、少しでも影響を緩和できるよう、新商品を投入して売上拡大を目指しているとのことでした。
青森県で水揚げされる原料のみにこだわり、鮭とば・たこロール等の乾製品を加工していらっしゃる会社です。昨今の気候変動により原料確保に苦心していますが、それでも地場のものにこだわりを持ち、特色のあるおいしい製品を製造していらっしゃいます。現在は、地場のお土産関係への販売が中心ですが、新たな販路開拓のため、本商談会にてバイヤーにアピールしていきたいとのことでした。
八戸市で冷凍チルド・珍味商品の製造・販売を行う会社で、展示会では、より簡便により美味しいをモットーに、商品の提案を行っていました。今回の一押し商品は、国産原料を使用した「やわらか煮込み」シリーズ。蒸気口を設けてあるので、電子レンジで温めるだけで簡単に魚の煮込みを味わうことができます。これからも、簡便性と美味しさにこだわった水産加工品を製造し、日本産だからこその付加価値製品を創造していきたいとのことでした。
産官学連携で共同開発した干物を製造している会社で、魚の味を引き出す「適塩」にこだわっているそうです。この「適塩」とは、減塩ではなく、使用する食塩を「ナトリウム・カリウム塩」に変えることを指します。これにより、塩分の摂取量を減らしつつ、薄味にならない干物を製造出来るようになりました。塩に敏感な消費者の方に焦点をあて、より多くの人に北三陸の恵みを届けたいとのことです。
北三陸のウニを加工し、様々なこだわりの加工品を製造している会社で、イチゴ煮・粒ウニ・ウニ缶詰等、高い加工技術とこだわりの商品のPRを行っていました。現在、駅ビルを中心に販売しており、高評価を受けているそうです。今回の商談会では、新たに百貨店バイヤーとの商談を多く行い、新たな販路拡大に手ごたえを感じたとのことでした。
大槌町で冷凍食品の製造・販売を行う会社で、今回は、「わかめの唐揚げ」を一押し商品として挙げて頂きました。新規導入したプロトン凍結機を用いることで、解凍時のドリップが出にくくなり、味やわかめの発色を含めて品質低下の防止が可能になりました。今回の「わかめの唐揚げ」を皮切りに、プロトン凍結機を使用した冷凍三陸産養殖かきの商品開発も進めたいそうです。
塩たらのシェアで日本一を誇る会社で、今回は、「石巻産あなご蒲焼」について重点的にPRされておりました。高温のスチームと丹念な焼き加工により、雑味が落ちて、「あなご」本来の味を楽しめる商品となっています。カット個包装した商品も新しく展開予定とのことで、小売量販店での取扱を目指して商談に臨みたいとのことです。
利府町で煮魚を中心に製造販売している会社で、こだわりは原材料と簡便商品の製造とのことです。ブースでは、大型の宮城県産金目鯛を煮込んで真空パックした商品やなめたカレイの煮付けなど、こだわりの商品が数多く並んでいました。今後は煮魚の製造で培った技術やノウハウを生かし、介護食品の分野へも進出していきたいとのことです。
「食生活に大切なタンパク源の供給」を企業理念に掲げ、水産加工品を製造している会社です。今まで、石巻で水揚げされたさばの凍結・出荷をメインに行っていましたが、今回の商談会では、自社で骨取りを行った漬魚や金華さばブランドを前面に押し出した大型骨取りフィレ等、高次加工を施した商品のPRを行っていらっしゃいました。今回の商品のように、大手メーカーの大量生産では作れない商品作りで、更なる販路開拓を行いたいとのことです。
福島県いわき市においてシマホッケ・鮭・サバを主体に「高級干物」を生産している会社です。「銀座伴助」を商標登録しており、ブランド干物として販売しています。こだわりは、創業以来変わらない秘伝のタレに漬け込んだ伴助伝統の味付け。店舗だけでなく、インターネットでの販売も行っており、ご家庭の食卓や贈答品としてもおすすめとのことでした。
福島県相馬市において原釜港水揚げの鮮魚出荷(ヒラメ、スズキ等)を行っている会社です。特色としては、飯塚商店様しかできない魚が生きているまま血止めをする「神経締め」。これにより、魚の鮮度を保つことができます。今後、国内では寿司屋・高級フレンチ店・百貨店での販売に力を入れていき、海外では日本食の人気がある国々の需要を掘り起こし、販路拡大を行っていきたいとのことです。
展示会初出展の「大喜や」様。茨城県ひたちなか市平磯海岸沿いにて、厳選した原材料を使用し、添加物を一切使用せず、天日干しでつくる昔ながらの製法でさんま、さばを中心に干物の生産を行っている会社です。他にも、ふのり、ひじき等地元でとれる海藻類も取り扱っているとのこと。最近は北関東周辺の観光客が来店されることが多いそうです。
茨城県神栖市にて、百年以上にわたり三陸~常磐沖で漁獲される鮮度のよい旬の魚を使用し、さまざまな加工商品を製造販売している会社です。その中でも、生のような触感の「いわしレモンじめ」や全国水産加工品総合品質審査会にて農林水産大臣賞受賞の「白のごちそう鯖」といった人気商品を数々生み出しており、これからも食卓に彩りを与える食品の製造に全力を尽くしていくとのことでした。
本年からの新しい取り組みとして始まった「ライブキッチン」。入口付近の「PR商品展示」横に、キッチンブースを設けて、2日間で計6回行われました。人気居酒屋kuittoオーナーである上西氏による、イチオシ商品を用いた創作料理のレシピ説明およびライブでの調理を行い、新たな食べ方提案を行っていました。来場したバイヤーにも、扱う商品を実際に食べるときのイメージがしやすいと好評でした。
東北地区の水産加工業者へ就職希望する学生に向けて、業界・企業の仕事を身近に感じてもらうべく会場内見学による業界研究セミナーが開催されました。
石巻地区の産学異業種連携により設立された「石巻フードツーリズム研究会」の「学」の部門で中心的役割を担っています。本年より、担当教員の所属が石巻専修大学から宮城学院女子大学に変わり、2校共同で石巻の練り物文化をPRしています。石巻が発祥の地とされている「ぼたんちくわ」を主に、石巻の水産加工会社が製造した笹かまぼこなどのおでん種を試食配布していました。
宮城県で水揚げされる魚を広めるため、栄養面から分析し、体によくおいしいメニューを開発している。今回はみやぎサーモンをPRするため「みやぎサーモンのハニーマスタード焼き」の試食提供と他レシピの紹介を行っていました。
2018年に創立120周年を迎えた歴史と伝統のある高校です。今回は、ほやをPRするため「ほやの炊き込みご飯」を製造し、試食提供とレシピの紹介を行っていました。その他にも、同校の水産練習船「宮城丸」が漁獲したまぐろを使って製造した缶詰等の展示・試食を行い、多くの来場者を集めていました。
それぞれの地域の特産品の案内や、他地区市場での販路拡大、新規航路就航による物流の改善等、各地域特色のあるPRを行っていらっしゃいました。
成約率が高いとされる事前マッチング型の個別商談会が今年も企画され、会期中の2日間で国内69社のバイヤーと579件の商談が行われました。
オーストラリア、マレーシア、ベトナム、中国、タイから招聘した水産バイヤーによる個別商談会を実施しました。また、このほかに別会場で「バイヤーからの視点~アジア・オセアニア市場への販路拡大の秘訣~(現地における認証のとらえ方)パネルディスカッション」が行われ、海外展開を目指す水産加工業者等が多く参加し、熱心に耳を傾けていました。
各分野の復興水産販路回復アドバイザーが対応。販路回復に向け、多くの相談が寄せられました。
「東北復興水産加工品展示商談会2019」の詳細内容は下記のボタンをクリック!
※レポートの内容および登場者の所属・役職等は記事公開当時のものです。