量販店バイヤーは、売り場を構成する際に
1. 家計支出の年間推移 2. 主力商品の年間推移 3. 年間52週の販売計画の立案
のポイントを頭に入れて構成を検討する。
小売バイヤー、特に量販店の売り場担当者は、給料日や年金支給日、ボーナス等地域のお客様が消費しやすい時期を読みながら、さらに細かく、週単位(年間52週)で販売計画を立てている。 データとして気温の変化や、祝祭日・年中行事・消費者の嗜好の変化等を 細かく読み取りながら、販売日へ向けた広告など訴求の準備を行っている。
このため量販店に売り込む際は 、バイヤーの行動パターンを理解し、売り込みたい店舗の客層・客単価・購買動向をよく観察し、店の販売計画に合わせた週単位でのきめ細かい納品や提案が必要となる。
鮮魚部門のなかで、青魚については、イワシ・アジ・サンマ・秋サバなどの訴求ポイントとして、 ① 健康訴求 ② 旬の訴求 ③ 品質 旬の先取り訴求 ④ 鮮度の訴求 に分け、それぞれの魚種が持つ特性を最大限にバイヤーに提示する必要がある。
刺身部門では、マグロ・カツオ 生マグロ・下りカツオ 下りカツオ 本マグロに大別し、各量販店の売場に合わせ、各量販店のニーズに応じた提案が必要である。
塩干品については、鮮魚と比較すると季節訴求が少ないが、旬の時期だけ「新物」を前面に出してバイヤーに訴求する対策を行うことが有効となる。 タラコ・塩サケ・アジ開き干しなどは、季節感と旨さ、新しさを訴求することも重要となる。
原価と売価:(売価-原価)/売価=値入率 となるが、この際にロス率を12%計算に入れておく必要があり、したがって正確には、売上は100%-12%=88%になり、原価率は60%/88%で約70%となる。つまり、売り込む際の原価は、売価に対して60%でなければ採算が合わないため、値入金額のみの数字で儲けていると判断してはいけない。 競合売価:同じ売場内にも、肉・惣菜部門との店内競合がある。店内での客単価と家族構成を計算し、魚に合わせる他の肉や惣菜がどの価格帯で提供されているかを考慮しなくてはいけない。この価格帯を間違えるとトータルの売上向上に繋がらなくなってしまう。また、社外競合のカテゴリには、量販店、外食、ネット通販、共同購入などがあげられる。
販売ルートには、 ① 直販 ② 既存取引ルート ③ 商社ルート などがあげられるが、中小企業のメーカーが直販の際に内部で営業マンを養成するのは非常にコストと時間がかかるため、現実的には難しい。営業部門は、外注で行うことで固定費の削減と効率アップを目指すべき。
バイヤーとの交渉の際に、 ① 展開期間の明確化 ② 次回の価格変更時期 ③ セールスポイント ④ 他店情報 の4つをしっかり持って商談に臨むことになる。 展開期間については、自社の商品を棚に出してほしい時期を明確に伝えるのはもちろんのこと、棚から下げて欲しい時期も伝える必要がある。棚から下げる商品の代わりに別の商品を提案することで通年安定した納入を確保していきたい。 また、POPやのぼり等のPRグッズを活かし、売り場で目を引く「メニュー」の提案やカロリー・栄養表示なども有効である。またバイヤーが知りたい、他店の情報も合わせて提供することも量販店との商談を上手くすすめる要素である。
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