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セミナーレポート「欧州等諸外国の水産加工業や漁船事情」について

平成29年1月24日、八戸市の八戸パークホテルで、平成28年6月に開催した「東北復興水産加工品展示商談会」終了後のフォローアップセミナーが開催されました。
その模様を紹介いたします。

講師
一般社団法人日本舶用工業会
業務部担当部長
主任研究員 江頭 博之
欧州の水産業界の漁業環境・概況
  • ・水産資源保護のため漁獲割り当て量が減少傾向にあるが、養殖業が推進されている。
  • ・漁船の近代化、効率化、環境性向上及び乗組員の安全と居住性向上のため、電気推進船等付加価値の高い新造漁船需要が近年増加している。
  • ・欧州の漁場では、ひとつの魚種が固まって生息しているので、魚種の選別が不要で効率的な漁ができる。
  • ・欧州の漁業政策:毎年漁獲可能総量(TAC)を制定し、各国毎の漁獲割当量を割り当て、魚の種類、大きさ、漁獲方法、漁場なども詳細に規定しており、各国が守っている。

1.EU全体

2.ノルウェー

3.アイスランド

欧州等の水産業界の傾向と今後の方向性
  • 欧州大型漁業の形態は、省人化・効率化が徹底され、魚価が高値で安定するシステムが確立している。
  • 欧州では、オーナーの殆どが水産加工会社で一定の事業規模を有しており、生産から加工・販売までひとつの会社で行える。
  • 海外でも、近年は、鮮魚の需要が高まっており、それに対応するため、船上での下処理・保存の機能が進んでいる。また、水産加工会社が船主のため、鮮魚でも加工でも鮮度の良い状態で対応できる。
  • 近年の新造漁船の傾向としては、乗組員の確保のためにも、安全性と居住環境の改善、また、燃費の改善、漁獲と処理保存の効率化等に力を入れている。
  • 日本と欧州では、漁場環境や水産業界の在り方等に違いがあるものの、近年の環境変化、漁獲量の低下等を勘案し、地域の特性を活かし、裾野の広い業界全体が協力しサプライチェーンを整えて活用していくことが重要となってくるだろう。
セミナー会場

※セミナーの内容および講師の所属・役職等は記事公開当時のものです。