三陸気仙沼の物産展実行委員会が主催する「第21回三陸気仙沼の求評見本市」が、2月24日に市内のホテルで開催されました。気仙沼市内の業者の内、水産加工品が29社、食肉製品が3社、菓子が1社の合計33社の出展がありました。また、展示会場の横の部屋には商談コーナーが用意されており、バイヤーと出展者の個別商談も行われていました。 このほか、会場ではメカジキの解体ショーが行われ、その後脂がのったメカジキのお刺身が来場者に振る舞われました。昼食時には「食体感フェア」として、バイヤーに7種類の「気仙沼海の幸弁当」を選んで食べてもらう企画があり、気仙沼の美味しさを存分に味わい、感じることのできる商談会となりました。
ブースの様子を一部ですが、ご紹介いたします。
北緯38度付近に位置する三陸の海から、新しい漁業への取り組みを伝えたいという思いが社名に込められているそう。メインは地元漁師さんがとってきた鮮魚の販売。駅や東京の飲食店等に直接販売し、お客様の声を商品開発に繋げてゆく取組みを行っていらっしゃいます。
まるでワインが入っているようなパッケージの「さんま一夜干し」やごはんによく合うお味の「さんまのお味噌」など、変化球ながら確かに旨い商品が充実。
炙りメカジキ大トロの粕漬けや穴子飯の素など反響が大きいそうです。
同社は創業59年を迎えるふかひれ専門店ですが、今回はふかひれの展示はせず、調味料商品「ホタテとコラーゲンのXO醤」、「完熟牡蠣のオイスターソース」、「完熟牡蠣のドレッシング」に絞って展示を行っていました。
オイスターソースは煮汁ではなく牡蠣をまるごと使用しているため旨みが濃く、おいしかったです。
鮫の水揚げ日本一を誇る気仙沼。コラーゲンたっぷりのフカひれラーメンやシャークナゲット等。鮫をひれだけでなく、内皮や軟骨、切り身等、鮫を余すところなく利用するため 商品開発に努めているとのこと。試食では、鮫のホルモン(胃袋)の和え物があり、あっさりとして意外とやわらかく食べやすいものだと感じました。
主力商品は「カニ・エビ」の加工品。カニは「まるずわいがに(オオエンコウガ二)」で自社操業船によりナンビア沖で漁獲し日本へもって来て、販売まで一括して行うとのこと。寿司ネタ、鍋商材など幅広く取り扱っていらっしゃいます。
スタンドパックの製品に、イカの形をした紙を添付し遠目にも「イカ」とわかるデザインの「みちのく塩辛」。かわいいデザインがひときわ目を引いていました。「マヨいか明太子」「マヨいかわさび」など、本来、明太やワサビなど大人の味付けですが、マヨネーズを入れることにより、お子様でも美味しく食べられるようにマイルドな味わいに仕上げていました。
初夏に三陸で獲れた旬のほやの風味・うまみを活かし丹念に仕上げた「乾燥ほや」。 試食してみると、するめのような歯ごたえがあり少し噛むと、海の香りが広がってきて、とてもおいしかったです。要冷蔵の「おさしみほや」や「ホヤの塩辛」のほか、いろいろな料理の隠し味に向いているという常温の「ホヤソース」を紹介していました。
震災後、設備の関係もあり、「さんまの昆布巻」のみ生産・販売しているとのこと。一品に絞り生産を続けているだけあって、さんまと昆布が醸し出す豊かな風味により、美味しさは勿論、どこか懐かしい味わいがありました。今後は、震災前に作っていた商品の復活と新商品の開発を進めるとのこと。
量販店向けから、ネット限定のプレミアム品まで塩辛を幅広い仕様で製造していらっしゃいます。お薦め商品は「昔ながらの濃厚熟成塩辛」とのこと。黒ラベルで黒の箱入り。30日~45日間熟成で手をかけただけあり、深みのある味わいです。
新商品の「吟味生作り塩辛」。通常品に比べ12㎜と太目にカットされており、いかの味わいもしっかり感じられるお刺身タイプの塩辛です。
気仙沼らしくフカヒレの展示に加え、身や皮のコラーゲンも紹介されていたり、一般的な魚であるさんまも、ローリエで風味付けした一夜干しなど、パッケージともどもおしゃれな加工がされていたりと、見れば見るほど発見のある展示会でした。
※レポートの内容および登場者の所属・役職等は記事公開当時のものです。