石巻地域の豊富な食材を活用し、優れた技術によって生産・製造され、安全で安心な加工品等を紹介するため、平成28年2月17日に「2016 石巻復興フード見本市」が石巻市水産物地方卸売市場(2015年9月全面共用開始)で開催されました。この見本市は震災後3年間の休止を挟み昨年から再開されたもので、石巻地域を代表する企業40社が出展、主催者発表で全国55社から約1050人のバイヤーが来場し、どのブースも大変にぎわっていました。 この見本市の様子をレポートいたします。
特別企画コーナーとして、宮城のブランド米・イチゴ等の農産物の紹介、「ハラル食」対応商品の提案、石巻専修大学の「さばだしラーメン」紹介・試食コーナー、さばの握りずし等の試食コーナー等、石巻地域全体で取り組んだ一大イベントとなりました。
ブースの様子を一部ですが、ご紹介いたします。
さばも味噌煮・塩焼・生姜煮と各種味付けを取り揃えている。このほか、さんま・いわし等加工品も多く、被災企業のコラボで生まれた絆おでん・牛タンつくねおでん等のおでんの惣菜も用意し、おかずのバリエーションが豊富でした。
初夏にシーズンを迎える「ほや」を獲ってすぐボイル・凍結した〝蒸しほや〟。鮮度の良いうちに加工しているため、まったく臭みがなく、サイズも3年物を使っているとのことで、身の厚さが十分。ホヤが苦手な方もこの商品なら食べやすいのではと感じました。この他、銀タラ西京漬、目抜漬魚等も取り扱っており、予算に応じて詰合せを提案可能とのこと。
蒸しほやは、食感が良く本当においしかったです。マヨネーズを絡めた商品もあるのですが、こちらはお子様も喜びそうな味でした。
業務用カキフライ、ホタテフライ、生牡蠣を製造していらっしゃる山田商店さん。 希望の規格があれば出来る限り対応いただけるとのこと。
牡蠣フライもほたてフライも粒が大きく大変おいしかったです。
もともとは剥き牡蠣などを主体で製造していたそうですが、震災後現在も牡蠣の生産量は以前の45%しか回復していない為、刻み穴子、さんま煮等加工度の高い商品も取り扱い売上げを回復させているそうです。
もちのようにしろくてまるっこいので「もちがき」もちかきは消費者にも分かりやすく、「g」ではなく「粒」での表示を行っている
赤魚の西京漬、たら、さけの西京漬、フライ・惣菜などの商品を主に量販店向けに製造販売していらっしゃるとのこと。
冬は鍋商材の「たら」がよく売れるとのこと。写真は通常の切身ですが、ダイス状にカットすることも可能。
さわら・紅鮭、金目鯛・真タラなどの漬魚を製造していらっしゃいます。米どころ宮城の銘酒「一ノ蔵」の酒粕や仙台味噌を使うなど、地域の素材を活かしたワンランク上のこだわりが詰まった商品となっております。
インバウンド需要や東京オリンピックを見据え、他に先駆けてハラル食に取り組んだ石巻元気復興センターさんのブースです。ハラル認証ではなく「ノンアニマル・ノンアルコール」の製品であると示し、ムスリムの皆様に安心して石巻の美味しい食品を食べていただこうという取組です。
商品は、ムスリムの方々の味覚に合わせたものではなく、もともと販売されている自分たちがおいしいと思う味付けで作った製品をハラル用に原材料や製造法を変えたもの。 実際にムスリムの方に試食してもらったところ、牡蠣の潮煮や鯖だしラーメンが好評だったとのこと。
水産加工品をはじめとした今の石巻の魅力が伝わる展示会でした。 くじらや牡蠣、ホヤなど地域性のある商品が印象的で、企画コーナーも充実しており、非常に見ごたえがありました。
※レポートの内容および登場者の所属・役職等は記事公開当時のものです。