平成28年1月18日に塩釜商工会議所にてセミナー「首都圏に向けての商品開発のポイント」が開催されました。実際に中小零細企業の商品の販売を行う立場から、どういう商品が望まれるのか、販路拡大していくためにはどうしたらよいのかをお話しいただきましたので、レポートいたします。
同社では「安全・安心」「美味しい」「本物」「健康」という4つの視点で商品をセレクト、無添加製品など素材にこだわった商品を取り揃えている。取扱いアイテム数は、全国1,500社の約2,000点。その大多数を占めるのが地方の中小零細企業である。
「数量や価格など大手とは同じ土俵上では競争にならない。大手ができない商品づくりで共存していく。独自の価値が生きる道」と寺谷社長。 独自の“価値”とは安心、安全、ヘルシーなど様々あるが、一番の要素は“おいしさ”である。 「味が備わっていなければ、どんなに安くても売れない時代である」とした。
商品は、安いからだけで売れるのではなく、消費者のニーズに合えば必ず売れる。 そのため、商品開発に必要な視点は地域の特徴を消費者のニーズに適合できるか市場調査を行う必要がある。絶対条件であるおいしさ+αがポイントとなる。 この+αにはライフスタイルの提案は必須。「生理的欲求」「安全的欲求」「社会的欲求」「尊厳要求」はすでに満たされてきている、今の消費者が欲しているのは「自己実現欲求」であり、こういう自分になりたいだとか、こういう生活をしてみたいという欲求を満たすことを目線に置くことも大切である。 また、消費者ニーズに加え、自社商品を客観的に見たときの業界内のポジショニングをきちんと理解することも重要。上の第一から第五の要素を取り入れれば大手と共存することが出来る。
を行い、どういった商品を望んでいるかをしっかりと調べておくことが大切とのこと。
個別商談編 まずは、バイヤーが求めている最低限の情報は伝えられるようにしておく
・味 ・デザイン ・コンセプト ・新規性 ・トレンド把握・取り扱いやすさ・原料品質状態 ・価格設定
20分の商談時間のうち、半分は「ヒヤリング」に徹し、バイヤーの意見を拾う時間としてほしい。また、時間内に説明が収まるように事前に段取りをしておくと当日の商談がスムーズに進む。 商談後は、しつこく本当にしつこく後フォローすること。嫌われるまでやるくらいの根気が必要。
忙しいバイヤーであれば、会場でもらったカタログは事務所に帰ってから見ることが少ない。そのため、現物と試食は必ず用意すること。試食は一番おいしい状態で提供することを心がけ、商品のことを舌で覚えて帰ってもらうのが大切である。
バイヤーは毎日たくさんのサンプルに埋もれている。売り場にも限りがあるため、提案をお断りすることの方が多い。そのため、一回の商談で断られたからと言って決してあきらめてはいけないという。 左にあるように1年間(52週)の販売計画を提案したり、「あのデパートではこんな売り方をしていた」、 「こんなチラシがあった」などの情報をバイヤーの代わりに提供してくれると、「こんなに売り場の研究をしてくれている」と信頼が強くなり、商談が成立しやすいとのこと。
企業の規模にかかわらず、営業力強化は必須事項である。「新商品ができたらDMを全国に発送するなど、営業費を惜しまないでほしい」「販売戦略の策定と情報発信は、継続することで販売の精度や頻度が高まっていく」と結んだ。
講演後、参加者からは、「営業力の大事さが痛感し、とても勉強になった」、 「さっそく新商品の試作に取り組みたい」との感想がありました。 皆さんももっとも悩みが多い「営業」の部分で参考になる話がたくさん聞け、 収穫の多いセミナーとなりました。
※セミナーの内容および講師の所属・役職等は記事公開当時のものです。