セミナーレポート東北復興水産加工品展示商談会2015「フォローアップセミナー」

初の東北地域全体の商談会ということで注目を集め、好評のうちに幕を閉じた「東北復興水産加工品展示商談会2015」。こちらのフォローアップセミナーが青森、岩手、宮城で行われました。この中で、平成27年9月2日、宮城県仙台商工会議所で行われたセミナーの模様を報告します。

食品包装の技術とトレンド

講師： 東洋製罐グループホールディングス株式会社 マーケティングセンター　調査・企画開発グループ グループリーダー 田中政資氏 商品自体のおいしさは当たり前になった時代、消費者の購買を左右する要素のひとつとなった「包装」。この食品包装の最新技術と流行について紹介。

商品を保護するだけじゃない「食品包装」

近年の大きな変化である女性の社会進出と高齢化および通販の伸長。これらの事象により発生する多種多様なニーズに対応するべく、食品包装が進化している。

簡便調理対応の開発：
健康のため食べたいと思っているが、家で調理する機会の減った魚を簡単調理の代表である電子レンジで焼き魚が出来る様、包材等の開発がされている。
個食化対応商品の増加：
若者もお年寄りも一人での食事が増え、サラダなど一食分ずつパッケージが増えてきている。
中食向け対応技術の開発：
現在、日本のコンビニ等では日配品が主流であるが、海外技術の導入によって、チルド条件で約1か月もつ調理済み食品も発売され始めている。
ユニバーサルデザイン対応技術の開発：
①分かりやすい②開けやすい③持ちやすい④取り出しやすい⑤保管しやすい⑥廃棄しやすいように配慮されたもの。蓋を右にひねるだけで簡単に開栓し、胴部を押すことで、使う量の調節が簡単にできるドレッシングのボトルなどがある。
鮮度保持・賞味期限の延長技術開発：
現在利用されているものでは、容器内の脱酸素性能、外部からの酸素バリア性の高い素材を使った包材による鮮度維持がある。
ネットショッピング・宅配対応技術開発（トレーサビリティ技術開発）：
通販での「流通時の保管状況が見えない」という不安に対し、一定温度以上になると商品に添付したバーコードの一部が消える技術が開発されている。
パッケージデザインの重要性：
ある会社では、水ギョーザの包装において商品自体の特性を表現するにふさわしいデザインに変えたところ、売上が前年比25％伸びた。商品の良さを適切に表すことが大事である。

市場ニーズに合わせ、鮮度保持、安全性の向上など包装技術はめまぐるしく進化していることが分かりました。また、電子レンジによる簡単調理商品などの新たな形態は、新規需要の掘り起こしに繋がるきっかけとなるかもしれません。
今回のセミナーは参加した食品メーカーの皆さんにとって、非常に有意義なものとなりました。

※セミナーの内容および講師の所属・役職等は記事公開当時のものです。