今回は、青森県、岩手県、宮城県、福島県、茨城県、千葉県沿岸部から、87社の水産加工業者等が出展しております。その中から、出展ブースの一部をご紹介いたします。
八戸市で鯖加工商品の製造を行うディメール。メイン商材はサバですが、近年のサバの原料高・原料不足を受けて、養殖魚の加工にも力を入れており、「真鯛の生ハム」を商品化。 20℃以下の冷たい煙を吹き付ける冷燻製法で、あっさりとした風味となっています。今後も新たな商材の冷燻加工商品を増やし、提案のバリエーションを増やしたいとのことでした。
ともやはホタテ貝を扱う数少ない専業メーカーで、陸奥湾で育ったホタテの風味や旨味を活かす数々の製法で美味しさにこだわった商品作りを続けています。今回一押し商品としてご紹介頂いたものは「ほたて貝柱水煮」・「帆立丸ごと水煮」の2商品。レトルト製法のため常温保管が可能商品です。異物のチェックがしやすいように透明な袋を使用しており、現在は練り物や炊き込みご飯の具材として多数の新規問合せを受けているそう。また、今後は海外への製品輸出等、新たなことへの挑戦を続けていきたいとのことでした。
前浜ものにこだわり岩手県で加工している伊藤商店の今回の一押しは「昆布〆三陸産本みりん干焼き」。三陸産昆布で〆た後、地元の本醸造醤油と純米酒、本みりん、きび糖を使ったオリジナルタレに漬け込み、2度干しの後焼き上げて急速凍結して仕上げたもので、大量生産は難しいですが、商品の質と無添加にはとてもこだわっているそう。真空包装で、賞味期限は冷凍で1年間と長く、レンジ調理にも対応。本展示会ではターゲットである量販店を中心に商談を進められたとのことでした。
岩手県陸前高田にて、小規模ながら地域に根差した企業として活動しているタイム缶詰。 主力はサバ・イワシ・サンマ等を使った缶詰ですが、今回、季節限定商品としておすすめしていただいたのが「番屋風 蒸し牡蠣 水煮」。3年間大切に養殖された牡蠣を貝殻が付いた状態で蒸しあげ、缶詰に封入。手間暇と情熱を込めた数量限定商品で、今回の商談会でもギフト向けで商談が進んでいるそうです。
宮城県と岩手県に計3工場を擁し、惣菜加工品を製造しているオサベフーズ。今回の展示会の一押し商品としてご紹介頂いたのは「ゴロっとイカメンチ」。アカイカ耳を大ぶりにカット、イカ胴体ミンチと野菜を加え、和風味に仕上げたボリューム感ある一品だそう。同社はコロナ禍のテレワークによる弁当需要の減少等、ライフスタイルの変化で売上に大きく影響があったそうですが、現在は小売量販店向けの惣菜需要に商機を見出しているとのことでした。
塩釜市でマダラをはじめとする魚のチルド品や冷凍品、ご贈答用の漬魚を製造・販売するヤママサ。今回の展示会では、高鮮度凍結システムのCAS凍結を用いた各通販向け商品のPRにも力を入れていました。このCAS凍結を使って作られた漬魚は「龍宮伝」というブランドで、手軽に魚の美味しさを味わえる電子レンジ対応商品としてシリーズ化しており、今後はこの商品を通信販売・ギフト向けとして販路拡大していきたいとのことでした。
石巻市で寿司ネタ・刺身セット・ホタテ貝柱などの製造を手掛ける東日本フーズ。従来の寿司ネタ商材以外に、炙り等の加工度を上げた商品にも力を入れることで、コロナ禍においても小売量販店からの問合せを多く頂き、成約に結び付けているとのことでした。また、おうちでも手軽に海鮮丼を味わえるよう「海鮮ぶっかけ丼」と「三陸ぶっかけ丼」を商品化し、これまで対応できていなかった小売向けの販売を強化していきたいとのことでした。
伝統的な干物、漬魚から革新的な水産加工品のラインナップを誇る海神。近年では、新しい味付け商品の提案で、今まで魚を食べて来なかった層の開拓を目指しています。今回の展示会では、その商品の一環として「ほっけ干物・ゆかり風味」を一押し商品に挙げていただきました。こちらは、ゆかりでお馴染みの三島食品とのコラボレーション商品。しそ香る爽やかな味わいで、生臭さを苦手としている女性や子供向けへの拡販を狙っているとのことでした。
福島県相馬市で海苔の販売に取り組むサンエイ海苔。加工場の天井部分にソーラーパネルを設置し、加工する電力の一部を賄っているほか、営業車をハイブリットカーに変更したり、清掃等のボランティア活動へ参加するなど、いち早くSDGsに取り組んでいます。 今回の展示会でも太陽光発電により生産された商品「海苔でサンド」を紹介しておりました。SDGsに関心ある企業数社と本展示会で商談できたとのことです。
いわき市で練り物製品を製造している貴千。今回の一押し商品として紹介して頂いたのは、ワインによく合うかまぼこのシリーズです。味はイカ&ペッパー、スモークサーモン&チーズ、バジル&チキンの3種類を展開。主に市場向けの出荷が多い同社の商品ですが、今回の一押し商品やその他商品を通して、個人・小売量販店向けの販路開拓や拡大につなげたいとのことでした。
北茨城市にて食品製造業・卸業・飲食業を展開するまえけん。地魚を通して、お客様に美味しい商品・料理を提供して魚の消費と拡大につなげることをモットーにしています。その同社の一押し商品は、「ひとすじシリーズ」。常磐沖のタコやアンコウを真空フライ製法にてチップにしたもので、常温販売が可能なため、お土産物店等の新たな販路が広がっているとのことでした。今後は、しらす等の新しい魚種にもチャレンジしてシリーズの幅を広げていきたいそうです。
日本有数の水揚げ量を誇る波崎・銚子港のすぐそば、茨城県神栖市に工場を構える髙木商店。サバ、イワシを使用した缶詰が主で、様々な味を生産していますが、売れ筋は「寒さば水煮缶・味噌煮缶」。11月~1月の限られた時期の脂ののったサバしか使用しないため、去年は実質1か月も買付け期間がなかったそうですが、原料へのこだわりは変わらず。今回の展示会で新規業者にも積極的にPRしていきたいとのことでした。
ひたちなか市でタコ、イカ、エビなどの水産加工業を営む「あ印」。近年では、輸入・国産タコの原料状況が悪く、原料価格に頭を悩ませる局面が多いとのことでしたが、現状打破のために、今回の展示会での一押し商品としてご紹介いただいたのが「お好み焼き風 ソースいか」です。焼きそばの具として使用したり、キャベツと炒めてお好み焼き風に調理したりと食べ方は様々。味付けを行うことで、更なる高付加価値商品として売込みたいとのことでした。
千葉県南房総の先端、千倉町に位置し、クジラをはじめ、各種干物/塩辛・海藻類を販売している同社。今回は地域の特産品である「くじらのたれ」を中心に数種類のクジラ製品を紹介していました。まだまだ消費地区が限られるクジラ製品を全国に広めるため、今回の展示会を活用したいとのことです。
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