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セミナーレポート食品表示セミナー「知っておきたい食品の表示」

令和1年7月22日、大船渡商工会議所において、三陸けせん希望ストリート連絡協議会主催の「食品表示セミナー」が開催されました。消費者と食品をつなぐ情報源としての食品表示。その食品表示法の変更点を、わかりやすく解説していただきました。

公益社団法人 日本水産資源保護協会
復興水産販路回復アドバイザー
高原 英幸

食品表示のルールと義務について

これまでの食品表示は、さまざまな法律によって規制されていたために、複雑で分かりにくくなっていましたが、この点を解消しようと、食品衛生法、JAS法、健康増進法といった3法の食品表示の規制を一元化した「食品表示法」が2015年に施行されました。

加工食品および添加物のすべての表示については2020年3月まで、また新しい加工食品の原料原産地表示制度への移行は2022年3月までとし、この期間を過ぎても食品表示のルールと義務を守っていない場合はペナルティが課せられます。

求められる食品表示基準への対応(経過措置期間)
出典:農林水産省「新しい原料原産地表示制度〜事業者向け活用マニュアル〜」)

「食品表示法」の主な変更点は以下のように9つあります。

この中で特に重要なのが、(6)栄養成分表示の義務化と(8)表示レイアウトの改善です。

(6)栄養成分表示の義務化
栄養成分表示が義務化された栄養成分
熱量(エネルギー)、たんぱく質、脂質、炭水化物、食塩相当量で表示。

(8)表示レイアウトの改善
「原材料と添加物は区分を明確に表示する必要がある」ということで原材料と添加物は、①改行する ②「/」等の記号を入れる ③原材料を表示する欄を区画するなどして、区分を明確に表示します。原則として、使用したものすべてを重量順に表示することになっています。

※ウェブ検索すれば関係する機関がさまざまなガイドを出しているので参考にしてください。

食品表示のルールと義務について

原料原産地表示制度について、国内で製造されたすべての加工食品(輸入品を除く)を対象に、原材料に占める重量の割合が最も高い原材料に関して、原産地を表示することが義務づけられました(2022年4月1日に完全施行)。なお、国内で製造された加工食品で、原産地に由来する原料の品質の差異が加工食品としての品質に大きく反映されると認識される「22加工食品群※1」と、「個別に定めのある5品目※2」については現行通りの表示方法です。

「新しい原料原産地表示制度による表示例」の表において、赤で書いてある部分が、新しい食品表示法にプラスになった事項です。

原材料が国産品の場合、『「国産である旨」に代えて、水域名、水揚げ港名又は主たる養殖地が属する都道府県名、その他一般に知られている地域の表示(例えば岩手県産、三陸沖、釜石港)と表示しても良い』となっています。「岩手県産」、「三陸沖」というように、地域の表示をした方が断然、シズル感が伝わって良いのではないかとのこと。

新しい原料原産地表示制度による表示例
出典:農林水産省「新しい原料原産地表示制度−事業者向け活用マニュアル−」

食品表示に関しての相談や質問は、保健所に問い合わせてみてください。

皆さんの会社の商品に食品表示のミスがあり、売場から撤去しなければならない事態に陥ると大変な損害になります。ぜひ、この機会に食品表示の見直しを徹底してください。

感想食品表示に高い関心をもち、日ごろから実践している食品メーカーでも、正しい表示を行うには、根気と時間が必要であることがわかりました。
まだまだ猶予があると思わずに完全施行までの移行期間に変更内容を把握し、きちんとした表示が出来るようにしなくてはと思いました。

※セミナーの内容および講師の所属・役職等は記事公開当時のものです。