平成28年11月24日、12月1日、12月8日の3日間に亘り、気仙沼市のホテル一景閣にて、販路開拓セミナー「はじめての海外販路開拓セミナー」を開催いたしました。 今回のセミナーは、海外への販路開拓を今後計画している、または少なからず関心のある水産加工業者等が、どのように海外進出を果たしていくかについて、具体的な実例等を元にしたお話や、グループワークを通じて学んでいただきました。今回はその一部をご紹介いたします。
海外展開では、輸送コストが重要であり、信頼できる現地での輸入業者、日本からの輸出業者との関係づくりが大切である。
FCPシートを作成にあたり、自社商品を海外へ進出するにあたり、どの国をターゲットとして見出していくべきか、また、どのような商品を売り込むかにあたって、自社製品の強みをどう活かせるかをしっかりと検討する。
FCPシートの作成にあたり、海外特にアジアの国へ輸出を行ないたい場合は、その国の特徴を事前に掴んでおくこと。また海外向けのFCPシートは英語表記が必須であり、表示方法を学んでおくことも大切。
英語表記、中国語表記などのホームページの作成を行うことも有効な手段のひとつ。また、ビジネスチャンスを逃さない為には、海外から届いたメールへの迅速な返信等が重要である。
日本政策金融公庫で支援している事業者の中で、海外現地法人を設立している事業者の平成28年3月末時点での地域別構成比では、中国が計3,065社(46%)、マレーシア、タイ、フィリピン、ベトナム、インドネシアのアセアンが計2,084社(31%)とアジア圏への進出が盛んであることがわかる。
海外への工場、事務所建設等の直接投資、海外企業への生産委託、海外展開事業の再編等、多種多様なニーズに対応する融資制度が存在するので活用することが可能である。
海外販売強化、海外直接投資の融資事例を紹介し、公庫の支援制度活用の際には、気軽に相談してくださいとのことでした。
3回に亘る本セミナーを開催することによって、これまで漠然とアジア圏域への海外進出を考えていた気仙沼の事業者にとって、海外展開というものがより具体的に考察できるものとなった他、インバウンドとして海外観光客にどう売り込むかについても考える機会となった。 参加した事業者にとっても、グループディスカッションを通じて、何の商品をどの国に売り込んでいったら良いか、自社商品の特徴、強みを活かした展開について熱心に検討されていた。 参加者意見からも、「海外展開への全体のイメージが掴めた」、「物流コストの計算方法はとても勉強になった。」、「インボイス作成やリスト作成など、物流費コストの内訳を知る事ができ、今後の海外販路の開拓の第一歩を踏み込めるかという指標となった。」 などの建設的意見が聞かれた。 本セミナーは事業者のみならず、市や、市内水産加工の組合の方々も参加し、今後の海外展開を支援する立場の方々にとってもスキルアップのセミナーとなった。
※セミナーの内容および講師の所属・役職等は記事公開当時のものです。