講師: 水産庁 増殖推進部 研究指導課 水産研究専門官藤本 賢 氏 東日本大震災による放射能によって福島県沖の魚が汚染されているというイメージが根強く残っている中、現在までの調査結果やモニタリング体制、セシウムの基準値について等分かりやすく説明していただきました。
福島県沖だけではなく、水産物は適切に検査されており、モニタリング体制の徹底により、基準値を超える水産物が流通する可能性はきわめて低いといえる。福島県では平成27年4月以降、海産魚では基準値を超えた例はない。(他県でもH26年8月以降)
福島県沖の海水の放射性セシウム濃度は下がっていて、魚の放射性セシウムの取り込み経路は海水とエサが考えられるが、海水も餌もセシウム濃度は低下している。また、海底土の汚染は直接・間接的に魚へは移行しにくいため、海産生物が新たに汚染されてはいない。(放射性セシウムの減少傾向は、対象魚種の生息域の環境や食性等により変化するため、個別に判断しなければならない)
基準値(100Bq/kg)には放射性セシウム以外の放射性物質も含む食品を、年間を通して食品を摂取した場合を想定して設定されているため、基準値を超えない限り人体への影響はほとんどない。
今回は煮焼あなご・あなご刻みとさばの塩焼き・金華〆さば・さばマヨをご飯ではなくパンと一緒に食べる新しい形の提案でした。ヤマトミでは、ヒレ取り加工も含めアナゴの前処理をすべて手作業で行い、過熱蒸気ロースターを使い、旨みを閉じ込めてドリップを逃さないようにしたうえで、表面を焼成機で焼き上げ、最後にふっくら仕上げるために高温スチ―マーで蒸し上げ、手間暇をかけて美味しい製品をつくっているとのこと。また、お客様との共同開発にも力を入れているそうです。
仙台漬魚は仙台味噌、一ノ蔵の酒粕、京都西京味噌などの調味料にこだわった漬魚を作っています。その中で今回提案するのは、レンジシートを使った簡単に焼いて食べることの出来る商品。簡単に調理したいという時代の流れに対応できるように考えた商品です。48時間味噌に魚を漬け、レンジシートに包み、シートパックすることで保存期間は冷凍で6ヶ月となっています。食べるときに冷蔵庫で解凍し、シートのままフライパンで焼くことが出来るので、油いらず。骨も取ってあるのでお子様にも食べやすい商品となっています。両面5分程度でふっくらジューシーに焼き上げることが出来るそうです。
もともとは飼料を専門に扱っていましたが、現在では、鮭の養殖をはじめ、加工・販売まで行っているとのこと。今回提案する商品は、餌・育成管理・種にもこだわった「極み鮭」。朝水揚げをすると、一匹ずつ活〆し、血抜きをし、骨や皮を全て取って100%可食部にし、お刺身用として真空パックしたチルド商品や、冷凍の原料から切り身を作り仙台味噌や麹漬した漬魚も業務用などに販売しています。塩のみを使った荒くほぐしのフレークの商品や極み鮭を漬けにした極み鮭丼なども一部販売しています。漬魚は味噌漬け、みりん漬け、塩麹漬け、山漬けの4種類を展開しており、山漬けをフィレーにし、化粧箱に入れた量販向けなどにも対応しています。
※レポートの内容および登場者の所属・役職等は記事公開当時のものです。