さいとうゆうこ管理栄養士事務所代表
齋藤 由布子氏
専門分野
私はもともと病院や老健施設で管理栄養士として働いていましたが、東日本大震災の災害派遣活動を機に、伝統料理や伝統食材の保存・継承、地域性の濃い商品の開発やプロモーションに関わるようになりました。
現在は、管理栄養士・フードコーディネーター・中級食品表示診断士として食品衛生やフードビジネスに携わる他、宮城県産業振興審議委員、仙台市農政企画審議委員、東経連ビジネスセンター マーケティング支援チームディレクターなどを務めています。
創業から百年以上の料亭の名物料理を使った「百年料亭宝箱の惣菜セット」や、間引きワカメを有効活用した「南三陸海藻クラフトチップス」などの企画にも携わり、素材に拘った健康志向の商品開発を得意としています。
職業柄、店頭に並ぶ食品は良くチェックするのですが、商品の特徴やアピールポイントが伝わりきれてないと感じます。商品名やキャッチコピーを考える際に、ダジャレのネーミングなども目を引いてよいのですが、こだわりや優位性など商品の価値を消費者にきちんと伝える努力が大切だと思います。
「美味しい」、「安心・安全」のは食品として当たり前の「基本価値」 それ以上に何にこだわった商品なのか?(原材料なのか、製法なのか、希少性なのか) 「美味しい以上の何か」それが「付加価値」となります。
これまで「無添加」「化学調味料不使用」をパッケージ等に表示されていたかたもいらっしゃると思うのですが、食品表示法の改正で記載が制限されることとなりました。
御社の商品は、何が特徴的で他社とは違うどんな「価値」がありますか? まずは自社商品のアピールポイントを棚卸ししてみましょう。
棚卸しのポイントは次の5項目です。 ①ターゲット ②コンセプト ③原料 ④製法 ⑤味の表現
魅力や強みを整理できたら、今度はそれをどのようにしたら伝わるかを考えてみましょう。 文章だけでダラダラ説明するよりも、写真一枚の方が十分に伝わる場合があります。 その商品がご飯の友なのか、酒の肴なのか、ティータイムなのか?食べて思わず手を伸ばしたくなるのはお茶碗かビールグラスか。
そうしたイメージをビジュアルで伝え、「週末の贅沢」「家族団欒」などの短いコピーで書いた方が、消費者やバイヤーには伝わります。「食べればわかる」とおっしゃる作り手の方も多いのですが、消費者は「食べる前に買う価値があるかどうか知りたい」ものです。語らずとも商品の良さが伝わるというのはとても重要なことだと思います。
これを機に今一度、自社商品の魅力について考えてみてはいかがでしょうか。 新たな価値や販促方法が見つかるかもしれません。
もし、商品開発やプロモーション方法等についてお悩みでしたら、できる限りお答えさせていただきますので、ぜひ「復興水産販路回復アドバイザー」へお気軽にご相談ください。