ニチモウ株式会社機械営業部 部長
福井 豊氏
専門分野
コロナ禍により様々な業界が大きな影響を受けている中、食品業界も業態により好不調が大きく分かれています。 一般的には外食は厳しく、持ち帰りなどの中食、内食は伸びており、量販店など家庭向け、個人向けは好調ですが、時短勤務やリモートワークの拡大により、コンビニのオフィス需要は低調。外食産業においては、家族の食事を提供する業態は客足が戻りつつありますが、居酒屋など不特定かつ多人数向けの業態は依然厳しい状況です。 私は、復興水産販路回復アドバイザーとしては主に生産機器の検討、選定への助言を行っていますが、普段は商社に属して食品製造機械を販売しております。 食品製造に関わる機器は、コロナ禍においても好調な受注が続いています。これは、売上が好調な企業の増産によるものであったり、持ち帰り需要に対応した新商品の開発よるものであったり、と様々です。 そこで今回は、食品製造機械を販売の仕事に携わり、常に顧客の生産設備のニーズに向き合う中で見えてきた最近の食品製造業の傾向と、必要とされる生産機械についてまとめてみました。
巣ごもり需要による、冷凍や加熱殺菌などで日持ちさせた食品。冷凍では-20℃以下に凍結し、日持ちを良くする。ショックフリーザーやトンネルフリーザーの導入、凍結後の保管のためF(フリーザー)級冷蔵庫も必要。凍結は、包装前でも、包装後でも良いが、真空包装でなければ、凍結後に包装した方が凍結時間は短縮できる。加熱殺菌では、包装後に行い日持ちを良くする。包装には真空包装機を、加熱殺菌には、ボイルまたはスチーム殺菌装置、レトルト殺菌装置などを導入する。他には、窒素ガスなどのガス充填包装、フリーズドライなどの乾燥、干物とする方法もある。
簡単に料理できる、簡単に1食となる食品、食材の売上が伸びた。冷食などもそうだが、豆腐、納豆など、手軽におかず1品となる食材も好調。餃子の売上が伸びているが、焼く手間がいらない、そのまま食べられるとしてシューマイも大きく伸びている。家飲みの需要も増え、おつまみとなる1品、珍味なども売上が伸びている。
従来は大袋などの大容量での包装単位だったが、1個ずつ個包装をした後に、大袋に入れる。食べきれず残った側も衛生的であり、保存が簡単となる。個包装するためには包装機に能力が求められるため、横ピロー包装機は選択肢のひとつである。
1食ずつカップに盛り付け、上面をフィルムシールするなど、持ち帰り、宅配便など輸送に堪える包装形態にする。
これ以外にも、消費者は日常の量販店での買い物に変化を求めていて、新商品への期待は高いと感じています。販路回復に向け、新商品開発や効率化、省人化をお考えの際に、機器導入を検討されている事業者の方がいらっしゃれば、ぜひお気軽にご相談ください。
※インタビューの内容および取材対象者の所属・役職等は記事公開当時のものです。