宮城大学 地域連携センター 教授
鈴木 康夫氏
専門分野
日本三景松島に住んでる私の周囲でも震災後、販路状況が一変してしまった企業さんがたくさんおられます。 以前から私は、食に活用できる他の技術分野での身近な「学の知恵」の動きを眺めております。中でも、それを旨く活用している事例を紹介したいと思います。 甚大な被害を被った食品加工の五光食品(宮城県塩釜市・赤倉賢社長)では、紫外線(UV-A;紫外線の中でも長波長)を当て、うま味成分を増したカキ(UV-Aウマァミーノ)を開発、新発売しました。 カキの加工品は、下処理(ボイル)でうま味成分が水とともに抜けてしまうのが課題でしたが、八戸工業大学(青森県八戸市)の青木秀敏客員教授とともに紫外線を照射する実験を行い、生カキに照射するのに適した装置を開発し、美味なカキ製品を開発しました。 それも「学の知恵」だけでなく、JST復興促進センターや東経連ビジネスセンターの補助金を旨く活用しての成果です。 紫外線照射品は、ボイル品に比べて、総アミノ酸量が1.7倍、グリコーゲン量自体も1.27倍(乾物基準)の増加を示しております。また、紫外線(UV-A)の殺菌効果は言うまでもありません。ぜひ一度食べ比べてみてください。 東北地域の基幹産業である水産業は、復興に向けて確実に動いていますが、まだまだヒト・モノ・カネが大変です。食に活用できる他の技術分野で身近な「学の知恵」がたくさんあります。 ぜひ活用されてみたらいかがでしょうか。もしこういった技術分野ご興味がございましたら、ご相談ください。
※インタビューの内容および取材対象者の所属・役職等は記事公開当時のものです。