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コラム復興水産販路回復アドバイザーコラム

第4回「身近な“学の知恵”も活用してみたら...~UV-Aウマァミーノの場合~」

鈴木 康夫 氏
今回コラムを書いていただいた方

宮城大学 地域連携センター 教授

鈴木 康夫

専門分野

  • 商品開発
  • 省人化
  • 経営
  • 機器導入
  • 加工技術
  • その他

日本三景松島に住んでる私の周囲でも震災後、販路状況が一変してしまった企業さんがたくさんおられます。
以前から私は、食に活用できる他の技術分野での身近な「学の知恵」の動きを眺めております。中でも、それを旨く活用している事例を紹介したいと思います。
甚大な被害を被った食品加工の五光食品(宮城県塩釜市・赤倉賢社長)では、紫外線(UV-A;紫外線の中でも長波長)を当て、うま味成分を増したカキ(UV-Aウマァミーノ)を開発、新発売しました。
カキの加工品は、下処理(ボイル)でうま味成分が水とともに抜けてしまうのが課題でしたが、八戸工業大学(青森県八戸市)の青木秀敏客員教授とともに紫外線を照射する実験を行い、生カキに照射するのに適した装置を開発し、美味なカキ製品を開発しました。
それも「学の知恵」だけでなく、JST復興促進センターや東経連ビジネスセンターの補助金を旨く活用しての成果です。
紫外線照射品は、ボイル品に比べて、総アミノ酸量が1.7倍、グリコーゲン量自体も1.27倍(乾物基準)の増加を示しております。また、紫外線(UV-A)の殺菌効果は言うまでもありません。ぜひ一度食べ比べてみてください。
東北地域の基幹産業である水産業は、復興に向けて確実に動いていますが、まだまだヒト・モノ・カネが大変です。食に活用できる他の技術分野で身近な「学の知恵」がたくさんあります。
ぜひ活用されてみたらいかがでしょうか。もしこういった技術分野ご興味がございましたら、ご相談ください。

※インタビューの内容および取材対象者の所属・役職等は記事公開当時のものです。