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企業レポート 被災地で頑張る加工屋さんをご紹介します

第142回茨城県有限会社樫村水産

全国から注文が寄せられる中、あえて地域に根ざしていく

樫村さんの半生における苦労は、震災だけではありませんでした。樫村さんが築地の会社を退職して樫村水産に戻ってきた翌年、お得意先から受注がなくなってしまったことがあったそうです。樫村さんはその時初めて「仕事がなくなる恐怖」を味わったといいます。

「父に、明日は何をやればいいのかと相談したら、『もう俺はやりたいことはない、お前の好きなようにしていい』と言われました。私はまだこの会社を終わらせたくなかったので、『俺はやりたいことがあるから社長を交代して』とお願いしました。当時まだ30代の駆け出しでしたが私が社長になり、やりたいことをやらせてもらったのです」

樫村さんがやりたかったこととは、加工品を作るだけでなく、自社で作ったものを直接販売すること。小売りに関しての知識と経験も、築地時代に培いました。

「社長になって最初の仕事はラベルづくりでした。当時祖父が書道を習っていた先生に、『ひもの』と筆で書いてもらったのです」

▲ 名刺やラベルにも利用して、当時からブランド化を意識していた

ほとんど仕事がない状態から会社を引き継いだ樫村さんは、父・元太郎さんと二人三脚でアジの開きを始めました。当初はたった一箱を出荷するだけでもやっとだったそうです。一日数百箱も出している現在とは比較にならないほど小さな数字ですが、「ゼロが1になり、それが少しずつ増えていく喜びがあった」といいます。

その後も山あり谷ありだったという樫村さんですが、長年取り組んできた『五代目常造』のブランド化を成功させ、全国各地にお客さんを抱えるまでになりました。

「うちの登録会員になっているお客さんは約1万人います。リピーターのお客さんがギフトにうちの商品を選んでくれて、その送り先の方から『おいしかったから』と注文が入ることもあります。新規のお客さんは今も増えています」

全国にお客さんを持ちながらも、樫村さんは今後、より地元に重点を置きたいといいます。

「近隣には買い物に不便な場所があります。そういう方たちが、うちの店に寄って干物や惣菜を買っていくようなことが増えたらいいなと思います。それともう一つの夢は、ここに飲食店を開くことです。飲食店が少ない地区なので、地元の人や観光客の方においしい魚を食べていってもらいたいですね」

飲食店の経営は、水産加工とはまた別の世界。しかしゼロを1にする喜びを知っている樫村さんなら、そう遠くない将来にこの夢を実現させているかもしれません。

有限会社樫村水産〒311-1237 茨城県ひたちなか市関戸8371
自社製品:アジ・サンマ・メヒカリなどの各種干物、惣菜、珍味ほか
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