青森県、岩手県、宮城県、福島県、茨城県沿岸部の水産加工業者96社が出展したこの展示会。 その中から本当に一部ですが、出展ブースの様子をお伝えします。
「全国ご当地どんぶり選手権」にて今年度準グランプリを獲得した〝八戸銀サバトロづけ丼〟を『俵屋・サバの駅』監修の元、商品化。原料は700gUPの脂乗りのいい銀サバを使用し、東北一の脂乗りと言っても過言ではないとのこと。当日、2日分用意していた試食が1日目の午後2時にはすべてなくなってしまったほど人気の同商品。バイヤーからの評判も上々のようです。
震災後、なんとか工場の稼働を再開。石巻地区の人々が、長い間電気が復旧しないため、保存も調理もできず困っていることを知り、「寄付もボランティアもできないからせめて」と工場にある一機のレトルト機をフル稼働させ、商品の提供を続けたそう。そんな三浦社長は孫までいる立派なおかあちゃん。「砂糖、塩など普通、家にある調味料しか使わない」と、商品作りは子供や孫に安心して食べさせたいという気持ちから考案しているそうです。さばが有名な八戸にありながら前浜で取れたいわしを使った製品を得意とし、ちょうどよい酸味にこだわった「いわしマリネ」は、食べる人への愛情が感じられる優しい味となっております。
新商品を多く展示していた同社。おすすめは、今年7月に発売の三陸産秋鮭を使用したご当地感のあるおつまみ「秋鮭ジャーキー」。地元のお土産や酒屋などで販売予定とのことです。 また、同じく新商品の「さばトマト煮」はトマトの甘くなり過ぎないよう、酸味のバランスを何度も試行錯誤し、女性に喜ばれる味に仕上げた逸品です。
2つあった工場のうちの1つ久慈工場が被災するも平成23年7月には復活。いくら(アイスキャビア:モンドセレクション金賞受賞!)、塩うになど取扱商品は、どれも地元特産の物ばかり。 これからは「ほやの塩辛」がおすすめだそうで東京で食べるほやとはフレッシュさが違います。また、販路は増やしていきたいと思う反面、人材不足という悩みもあるとのことです。
もともと原料を作る冷蔵冷凍事業が中心で10年ほど前から加工品に取り組んでいました。そんな矢先、震災によって2つあった工場が全壊するも平成23年9月に事業再開。 頭、中骨、はらわた等を取り、室内天日干しをした骨抜太郎(さんま)は一番人気。国内でも2社ほどしかいないという室内天日干しの施設は同社の強みとのことです。 今回の展示商談会での手ごたえもあったようで、定期的な開催を希望していました。
色々な魚種で展開しているお魚をフレーク状にした「魚っぴん具」シリーズと、地元の食材にこだわった「プレミアム鮭三撰」の販売強化を目的に出展したそうです。 水産加工品のみの展示会ということで、扱いたい商品が明確なバイヤーが多く、また同社が三陸の原料を使用した製品づくりをしており、コンセプトがはっきりとしているため、商談等の話がすすみやすかったとのことでした。
石巻専修大学石原ゼミとのコラボ商品である「ずるびきパスタ」。 〝ずるびき〟とは石巻の飯野川地域に昔から伝わり、祝いの日や仏事の席などで食される郷土料理で、椎茸、人参、こんにゃくなどの入ったとろみのある汁物。これを現代風にパスタとしてアレンジ。餡がパスタと絡んで絶妙な味わいとなっております。 このほか「さばだしラーメン」など同じく地域の食材にこだわった商品の開発も行っています。
通常量販店向けの販売が多いですが、今回の展示商談会で、牡蠣の旨味だしの入った「塩釜おでん」などギフト向けの取引先が増えることを期待して出展したとのこと。今回の展示商談会では、目的としている向け先のバイヤーが多く訪れてくれたことから、有意義な時間を過ごせたそう。 また、「揚げかま」を得意とする同社が今一番おすすめなのは「政宗逸品」。独自の〝坐り製法〟により、「ふわっ」とした食感となっています。
世代的に食べたことが無い人が増えてきた〝くじら〟。 この「くじら文化」をつないでいくためにも、出展を決めたと聞きました。 試食で提供された鯨ステーキは、臭みもなく非常に食べやすい商品でした。 同社は、このほか金華さばの味噌煮などの缶詰の取り扱いがあります。
練り物を製造するいわき市にあるメーカー。取引先は主に中央卸売市場で主力商品は板かまぼこ。今回は、百貨店やおみやげ向けに変わり種のかまぼこなどを展示し販路開拓を目指すため出展したそうです。 福島のメーカーにとって販路回復はまだまだ厳しい道のりだが頑張っていることをアピールしたいとのことでした。
漬け魚や煮魚加工品を製造販売。震災の後は苦労していますが、周囲の協力のお陰でなんとかやって来られたとのこと。 今回は販路を開拓して売り上げを増やすことが目的で、さらに、台湾のバイヤーにもお声掛けいただき、輸出も前向きに検討していきたいと意気込みを聞かせていただきました。
佃煮や惣菜を主に製造する霞ヶ浦にあるメーカーです。取引先のブランドで販売される商品が多いですが、今回は自社ブランドの佃煮や調味加工新商品を量販店などへ販路開拓したいとのことで出展されました。展示商談会では、百貨店バイヤーなどから商品の見せ方、パッケージデザイン、アイテムバランスなど参考になる意見を聞くことができたそうで、有意義な時間を過ごせたそうです。
水産缶詰を主に製造する神栖市にあるメーカーです。取引先は大手水産会社などが多く、自社ブランドも百貨店やおみやげ売り場で販売しております。今回は、新商品を投入し新たな販売先開拓をと考えて出展されました。展示商談会では既存の取引先が多く来ていただいていますが、新たな先もブースに来ていただけたので成約できるよう頑張りたいとのことでした。
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