平成30年8月24日に第20回「ジャパン・インターナショナル・シーフードショー」にて「復興水産加工業等販路回復促進事業の概要並びに支援事業の取組事例紹介」というテーマでセミナーが行われました。当該事業の説明及び昨年支援を受けた被災地の水産加工業者2社から販路回復・開拓に向けた取組の紹介を行っていただきました。
提坂氏より平成29年度復興水産加工業等販路回復促進事業の取組内容について説明がありました。概要についてはこちら(平成29年度復興水産加工業等販路回復促進事業の取組状況について)を参照ください。
株式会社海祥様は、宮城県名取市で平成6年に設立。 小魚・海藻類の加工、製造、卸売、販売、惣菜。主に、天然素材を仕入れ、独自のシステムで健康志向の商品を生産・販売しています。 東日本大震災において、本社工場・塩釜第二工場ともに大きな被害を受け、塩釜の工場は稼働できない状態となった。その後、名取市閖上(ゆりあげ)地区に水産加工団地が設立されることに伴い2017年に閖上工場に移転しました。 従来の主力商品である「しらす・ちりめん」等の小魚製品は、製品の生産がいったん止まったことで販路先を失い、その後営業努力は行っているものの一度失ってしまった販路先はなかなか回復できないそうです。 また、取引先からの強い要望である異物の選別については、震災の影響から人手不足であり、販路先からのニーズに沿った生産性の確保が確保できない状態でした。 今般、これらの課題を解決するため、「水産加工業等販路回復取組支援事業」を利用し、省人化への取り組み、生産性の確保、そして販路回復に向けた取組について紹介していただきました。
1主力商品の「しらす・ちりめん」等について、取引先からの強い要望のある異物の選別を行い品質の向上を図る。
2人手不足を解消し、省人化することで取引先からの要望に合った生産性の向上を図る。
課題1の異物の除去による品質の向上については、当事業の活用により、色彩選別機を整備しました。従来は目視による選別を行っていましたが、機械により異物を混入することで、より確実な選別が可能となり品質の向上を図ることが可能となり、更に1日の選別可能量が5倍の処理能力となりました。
課題2の生産性の向上については、当事業の活用により、自動計量充填機を整備しました。 従来、卓上はかりで計量していましたが、機器整備後は約3倍の処理能力となりました。
また、更なる省人化として加工工程の「ワンライン化」を行いました。 この「ワンライン化」したことにより、従来「選別工場」と「パック詰め工場」と「梱包工程」分かれて作業状態を確認していたところ、機器導入等により1か所で確認することで可能となったことは、省人化に向けた大きな成果です。
1機器の導入により選別ラインが強化され、商品の品質が高まりました。このことにより、「素材」や「美しさ」にこだわるユーザー様に対応できる商品となりました。
2ライン化による生産効率の向上により、地元の閖上漁港で水揚げされる、生しらす (最北のしらす)を鮮度をそこなわずお届けできるようになり、販路の回復が期待されます
気仙沼ほてい株式会社様は、宮城県気仙沼市で昭和28年より創業。缶詰・レトルト商品を製造する本社工場をはじめ、鮮魚生鮮出荷・冷凍チルド加工品を扱う魚浜向上、製氷工場による、水産加工品製造業者。震災による津波の影響で、事務所棟1棟、加工場5箇所、冷凍冷蔵庫2箇所、倉庫2箇所全てが全壊しました。
震災後の販路回復については、次の3点の明確な目標を計画しました。
これらの計画を着実に実行するためには、「魅力ある商品づくり」と「生産体制の整備」が不可欠となります。そこで課題を次の2点として整理し、「水産加工業等販路回復取組支援事業」を活用しました。
課題1:既存商品売上回復と新規商品の開発 課題2:人手不足のため生産能力が低下
課題1:既存商品売上回復と新規商品の開発 この課題を解決するため、「復興水産加工業販路回復促進事業」を利用し、燻製缶詰 シリーズの開発に必要な「燻煙装置」を整備しました。 また、「煮魚シリーズ」の開発に必要な「筒切りカッター」、かつお生利節やジャーキー乾燥に必要な「冷風乾燥機」を整備しました。 当新規製品の開発により、今後積極的に営業をすすめることで、本年度中に1.5億円の売上の増加を目標としています。
課題2:人手不足のため生産能力が低下 この課題を解決するため、「復興水産加工業販路回復促進事業」を利用し、人手が必要となる加工工程のうち「うろこ取り」と「フィレ加工」の省人化を図るため、「ヘッドカッター うろこ取り洗浄機」と「フィーレ加工ライン」を整備しました。
そして、講和の最後に、水産加工業の販路回復に必要となる「3つのキーワード」をご紹介していただきました。
このキーワードを常に意識し、着実に実行することで、今後も販路拡大に向けた取組を積極的に実施されることが期待できます。
平成30年8月22日、第20回「ジャパン・インターナショナル・シーフードショー」(東京ビッグサイト)のセミナー会場において、水産庁主催により、「水産物のモニタリング結果や基準値、放射線リスク等について理解を深めることを目的とする」セミナーが開催されました。平成30年3月末までの調査結果の紹介や放射線の基礎知識などについてわかりやすく説明していただきました。
平成30年8月24日に第20回「ジャパン・インターナショナル・シーフードショー」にて「水産業のハラルビジネスはメニューの提案」人気店から探るムスリムシーフード人気メニューというテーマでセミナーが開催され、4名の講師の方に、それぞれのお立場から「ハラルビジネスと魚(魚料理、水産加工品)」についてのご講演を頂きました。
ハラル・ジャパン協会代表理事 佐久間 朋宏氏
株式会社ヨシムラ営業部長 森 信也氏
株式会社FELLOWS(成田屋)代表取締役 島田 洋一郎氏
アスリンク株式会社(上智大学学食)代表取締役 モハマド・シャーミン氏
そのためにも、メニュー・レシピはとても大切になります!海外のイスラム市場の魚売場、魚料理から考えてみましょう。
さばの青切り、イワシの丸干市、アジの開き、みりん干し加工等を行う水産加工業者。 平成23年には、国産冷凍食品として日本初となるハラル認証を取得し、鯵餡餃子を製造。当該商品が、平成23年度優良ふるさと食品中央コンクールの国産畜水産品利用部門にて最高賞である農林水産大臣賞を受賞するなど、「自然」「安心」「健康」をテーマに常識にとらわれなく、なんでも探究心をもって新商品開発等に取り組んでいる。
・株式会社FELLOWS 茨城県日立市大みか町3-22-2 2009年会社設立し、マレーシアにてHALAL認証の取得を日本企業として初めてレストランで取り、現在は浅草にHALAL麺亭 成田屋(HALAL)、5分でカオマンガイ(HALAL)などを運営している。
・国内1号店でHALAL認証を取得したラーメン店として日本で初めてのお店。
・成田屋FCとして初めてのお店。お祈り部屋の広さが広く、お祈りだけのお客様もたくさん訪れる。
・心斎橋にあるFC店で、観光地から近いという事や周辺にお祈り場所がないこともり、集客としては今までで一番速度が速い。
* 書籍「飲食店のためのハラル対策ハンドブック」(柴田書店、2017)でレシピ提供・紹介
※セミナーの内容および講師の所属・役職等は記事公開当時のものです。