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セミナーレポート「販路開拓セミナー」開催報告

先の震災により喪失した販路の回復を図り、東北地区における水産加工業者等の早期復旧・復興を目的として、平成27年6月16日~17日に仙台国際センター展示棟で開催される「東北復興水産加工品展示商談会2015」の出展企業を対象にした販路開拓セミナーの実施をいわきを皮切りに被災地4箇所(いわき(5月11日)、八戸(5月12日)、仙台(5月13日)、釜石(5月15日))において行われた。


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東北全体の商談会は今回が初!!
東北復興水産加工品展示商談会2015の特徴

一番大きな特徴は個別商談会において51社のバイヤーと96業者とのマッチングを図ると共に、事前にバイヤーからの希望・提案を集めコンペ方式により事業者を募ること。これにより、生産者も、バイヤーがどういったものを求めているのかが見え、また実際に良い商品が出来れば、商売に繋がりやすく、売る方にも買う方にもメリットがある。
来場者数は5,000人~6,000人の予想。大変にぎわう展示会となりそうだ。

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東北復興水産加工品展示商談会 2015をもっと詳しく知る

販路開拓セミナー説明 購買者の〝ムード〟をつかむ
復興水産販路回復アドバイザー 上田勝彦氏

元漁師、元水産庁職員という異例の肩書を持つ上田氏が語る水産不振の原因とは?

  • 水産業の低迷や魚離れについて2つの原因がある ①行政と消費者間の問題意識の差
    ②対面販売の減少

魚食普及の為、行政は魚類文化・自給率の話をすることが多いが、そのような問題意識は薄く、「気分」「雰囲気」「健康・栄養」「家計費」が消費者の購入の決め手となっている。また、スーパー、コンビニの台頭により、いわゆる「魚屋さん」が減少、魚の調理法を教える身近なプロがいないのが問題とのこと。
さらに、製品に関する情報発信は、発信のみで結果が不明であることから、発信後のフォロー、運用、評価等が不可欠であり、フォローアップ体制の強化が大切である。(仙台にて)

上田勝彦氏

販路開拓セミナー説明 販路の特徴とマーケットニーズの把握から
復興水産販路回復アドバイザー 細川良範氏

元スーパーバイザーであり、水産製造、卸業を対象に販売・経営助言を行うコンサルタント業を長年行っている細川氏が語る販路回復の方法とは?

  • 水産業の低迷や魚離れについて2つの原因がある ① 流通形態の変化
    ② 消費者ニーズの多様化

卸売市場の経由率は、野菜・水産・果物・食肉とも年々減少している。その背景には、ビッグデータの収集と分析能力で安定発注を実現させている大規模場外流通業界の参入・再編がある。
さらに、大量生産、大量消費から少量生産、少量流通へと変化し、今まで以上に相手の特徴をとらえた商談が必要となっており、流通の短時間化、多温度対流通への対応、販売量の確保が重要課題である。
また、現代の消費者は、骨がない商品を好まれ、魚嫌いへの対処として骨取りができれば、魚嫌いは解消できるし、商品開発にも骨取り技術で、新たな販路にもなり得るのではないかとのこと。(八戸にて)

細川良範氏

※セミナーの内容および講師の所属・役職等は記事公開当時のものです。