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企業レポート 被災地で頑張る加工屋さんをご紹介します

第143回福島県有限会社海宝水産

海宝水産の名前を後世に残したい

津波が引いてから工場に戻った時に、島さんはそこでは何も見つけられませんでしたが、トラックを乗り捨てた神社で見覚えのあるものを見つけました。事務所の机が一つ、そこに流れ着いていたのです。引き出しの中には、会社の通帳と実印、社印が入っていました。

「乗り捨てたトラックも津波で遠くに流されたのかと思ったら、ちょうど神社の建物の屋根の下に収まるように停まっていました。まわりは木もうっそうと茂っているので、どのようにしてそこに停まったのかはわかりませんが、『この仕事を続けろ』と言われたような気がしました」

当時の実印と社印、そしてトラックに載せていた活魚用の大きな水槽は、今も大事に使い続けています。浪江町に戻る目処はまだ立っていませんが、当面は現在の場所で水産の仕事を続けます。

「試験操業でなく、早く元通りの水揚げ量に戻ってほしいですね。いろいろな魚を獲ってもらえれば、私たちもできることが増える。サケのフィレの仕事はまたやりたい。カットする専用の機械もあるのにほとんど使われていないんです」

海宝水産の社名の由来は、漁師でもある父の漁船、海宝丸です。海宝丸は津波で破壊されました。海宝水産の事務所には、父を元気づけようと島さんが自作した海宝丸の模型が飾られています。

▲ 荒々しい波の中を進む海宝丸

この模型は父にプレゼントするつもりでしたが、島さんはそうしませんでした。海宝丸は、再び建造されたのです。

「父が結局新しい船をつくったので、模型はあげないことにしました(笑)。でも私は父がつくったこの会社の名前を、ずっと残していけたらと思っています。海宝水産は私で2代目ですが、娘婿が3代目をやりたいと言っているので、『3代目からは老舗だぞ』と言って今ちょうど鍛えているところです(笑)」

3代、4代、そしてさらにその先まで。場所は変わっても、海宝水産を次世代へとつなぐ思いはこれからも変わりません。

▲ 島さんと妻の利恵子さん。
海宝水産の歴史はこれからも続いていく

有限会社海宝水産〒979-0201 福島県いわき市四倉町5-218-1(いわき営業所)
自社製品:活魚、鮮魚ほか
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