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企業レポート 被災地で頑張る加工屋さんをご紹介します

第138回千葉県株式会社兆星

究極の干物「灰干し」のヒットで会社は急成長

地元の高校を卒業後、他県の水産加工会社などで働いていた網谷さんは、兆星が法人化した1988(昭和63)年頃に銚子に戻ってきます。

「当時はサバ、サンマ、ホッケの塩干品などをつくっていました。その後もニーズが変化するたびに、醤油漬け、味噌漬けなど、いろいろな製法を試してきました。その中で売れていくもの、消えていくものがありました」

ヒットしたのは、父・昭宏さんが手掛けた灰干し。ブームのあった90年代にサンプルを作ってみたところ、取引先から「うちの分もつくってくれないか」と注文が増え、会社全体の売り上げが倍増。一時は灰干しの生産に集中することもあったそうです。今も続けているこの灰干しを、網谷さんは「究極の干物」と呼んでいます。

「灰干しとは、灰と灰の間に魚を挟んで、余分な水分を取ってうまみだけを残す昔ながらの製法です。魚が灰で汚れないように紙のセロハンで包んだり、良質な火山灰を取り寄せたり、乾かすのに時間がかかったりと手間暇のかかる製法で、他の製法の半分くらいの量しか作れません。ただその分、臭みが少なく、塩分も半分の干物ができあがります」

長い歴史の中であらゆる製法にチャレンジしてきたという兆星は、佃煮、焼き加工、レトルト製品など、刺し身以外のあらゆる加工に対応できるようになりますが、2011年の東日本大震災後、工場稼働率が急減してしまいます。

「津波被害はありませんでしたが、地震の揺れで工場にヒビが入り、修繕が必要になりました。物理的被害以外で大変だったのは、配送先が停電のために納品できなかったことです。作ったものを持っていっても、『停電で冷凍庫が使えないから引き取れない』と言われて引き返し、そのまま廃棄せざるを得なかったこともあります」

これまで原料として使っていた魚種の水揚げも減り、売上は年々少しずつ落ちていくような状況。どうしたらいいかと悩みながら新たな魚種、製法を試しましたが、その間にも変化する需要に対応することが難しくなってきました。

「何をやってもマイナス方向に進んでいるんじゃないかと思うこともありました。需要の変化に対応するには人手も機械も足りない。そんな中で、既存の取引先からは供給量の増大や新製品の提案を求められていました」

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