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省人化を図るため、イカの刺身の盛り付けロボットの開発

ヤリイカの刺身のニーズはあると見込んでいたものの、人手不足で省人化は必須の課題でした。

2017年、ヤリイカの身を開く機械を導入したころから、盛り付けラインも含む完全自動化を図るための構想を練ります。そこで、時間も人手もかかるカットされたイカソーメンをトレーにのせる工程をロボット化することを考えました。各機械メーカーに相談しましたが、どこも『水産加工用の防水型のロボットはつくらない』という回答でした。

「あきらめずに加工機械メーカーを探しました。あるメーカーがホタテのうろ(黒い部分)をとる防水型の機械があることが分かり、そのメーカーにかけあったのが今回のロボット開発が前進する大きな契機になりました」

水産加工業のためのまったく既存にはないロボット。さらに原料は塩分を含むため、鉄ではなくオールステンレスに。工場に効率よく設置するため、防護柵も含めできるだけ小型にする必要性もあり、全てゼロからの開発でした。そして、開発の目処がたったとのことで、2018年度の販路回復取組支援事業の助成金を活用して、ロボットを含む盛り付けラインを導入しました。2019年1月にやっと完成したと喜んでいたのも束の間、そこからは機械の調整に苦労させられることとなります。

「導入当初、1日8時間で5,000パック前後の生産力を見込んでいました。ところがなかなか生産量があがらない。1日8時間で2,300パック前後。これでは、利益は出ません。なんとかしなければと、ロボットの動き、ラインの工程をじっくり観察しました」

くまなく検証していった結果、画像を使って盛り付けのためのトレーを置く位置を判断する工程が、無駄と分かったそうです。

	盛り付けラインのカッター部分と、トレー供給装置、盛り付け用のロボットアーム部分

▲ 盛り付けラインのカッター部分と、トレー供給装置、
盛り付け用のロボットアーム部分

「ロボットが1作業にかかる時間は2秒。プログラムが増えるごとに時間が増えていきます。盛り付けのためのアームが、トレーが置かれるのを待っている状態がある。そこを省くために遅延の要因となっているプログラムをカット、人間の手に変えました。人間の手なら、その作業に慣れれば、ロボットの作業時間=2秒よりも速くできます。トレーを供給、盛り付けるまで4秒。その4秒にこだわりました」

この工程作業の見直しにより、2019年3月には、1日8時間で約4,800パックのイカソーメンの製造が可能に。目標値を実現できました。ロボット含む完全自動化のライン導入前は、4,800パックを生産するには10人がラインに入ったとしても、2日かかります。導入後の同ラインの要員はおよそ4人。大幅な生産力アップと省人化を図ることができました。

実際に工場内を案内していただくと、十数名ほどのベテランの従業員がヤリイカの内臓、耳、皮をとる作業を手作業でおこない、それらの前処理されたイカを細く裁断しパックに盛り付ける後工程は自動化されており、3~4名の従業員でおこなっていました。素早い手捌きで処理されたヤリイカが、カッターでカットされ、新しく導入したロボットによってトレーに美しく盛られていきます。

「メーカーの担当者は、ロボットのアーム部分しか作っていないので、実際にこの工場での使われ方を目にしたときは、びっくりしていましたね」

  • イカソーメン用に、手際良くヤリイカの内臓や皮等素早く取り除いている

    ▲ イカソーメン用に、手際良くヤリイカの内臓や皮等素早く取り除いている

  • 今回導入した自動盛り付けライン

    ▲ 今回導入した自動盛り付けライン

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