復興水産加工業 販路回復推進センター

販路回復・助成事業・アドバイザー 相談の申し込み

企業紹介企業紹介

企業レポート 被災地で頑張る加工屋さんをご紹介します

第84回岩手県古須賀商店

省人化機器で新商品を生み出す、
嘉永5年から続く水産稼業の底力

「正月までに全力で間に合わせます!」

2011年3月10日、古須賀商店(岩手県宮古市)の古舘誠司さんは、正月のおせちを彩る「サケの昆布巻き」の委託生産を受注するため、鳥取県のメーカーまで足を運んでいました。その年いっぱい続く大きな商談を成功させた古舘さんは、家族と9人のパート従業員が待つ自社工場に戻り、早速翌日から加工作業に取り掛かったのですが……。作業を始めて数時間後、東日本大震災の津波によりすべてが台無しになりました。

両親や長男とともに家族で水産加工業を営む古舘 誠司さん

▲ 両親や長男とともに家族で水産加工業を営む古舘 誠司さん

「工場は全壊し、隣接する自宅も大規模半壊しました。電気が止まったので冷蔵庫を一切開けずに室温を保とうとしましたが、1ヶ月後に開けてみたら、加工用に冷凍保存していた1年分の秋ザケと昆布が全部ダメになっていました。この年はうちの冷蔵庫には入り切らないほどの秋ザケがあって、よその冷蔵庫にも預けていましたが、それもすべて被災により廃棄せざるを得ませんでした」(古舘誠司さん、以下同)

震災後しばらくの間は、パート従業員に休んでもらい、家族だけで泥だらけの工場と自宅の後片付けをしていました。再開のめどが立ったのは、工場の電気と水道が復旧した5月下旬のこと。この頃には、古舘さんが「これがないと出荷できないので真っ先に注文した」という金属探知機も届き、再びパート従業員を呼び寄せるのみとなりました。

「6月2日に、9人のパート従業員が全員戻ってきてくれました。最初は工場の片付けを手伝ってもらい、一週間ほどしてからサケの昆布巻の生産を再開しました。原料は発注元のメーカーに手配してもらいました」

サケの昆布巻きの製造量は当初予定の約13万本には達しなかったものの、メーカーの協力もあって約9万本を納品できたといいます。またその他にも、8月からは天然物の「茎わかめの生姜煮」の出荷を再開。
2011年は震災の被害に遭いながらも、その後に始まる売り上げの低迷に比べれば「まだよかったほう」だったといいます。

  1. 1
  2. 2
  3. 3
  4. 4
TOP