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企業レポート 被災地で頑張る加工屋さんをご紹介します

異業種でのスキルも生かし、伝統の製法を現代につなぐ

現社長のご子息で、製造と品質管理の責任者である市哉さんが佐々直に戻ってきたのは、今からおよそ10年前。最初は工場で従業員と一緒に働きながら、徐々に品質管理の仕組みを整えてきました。特に市哉さんが入社した頃は、業界の衛生管理が厳しくなってきた時代。それまで「職人のカンや経験」をもとに製造していた時代から、根拠立てて製造工程を整備していく過渡期にありました。

「それまで職人さんの経験に頼って作っていた製品を、“こういう順序、こういう方法で作る”ときちんと決め、その通りに出来ているか記録をつけるようにしました。“こういう理由があるから、この工程が必要だ”と教わった人がきちんと書きとめるようになったことで、学んだことを後から振り返ることもし易くなりました。製造工程を明文化することで、少しずつですが技術の伝承がスムーズになってきていると思います」

これらの仕組みを作る上で、市哉さんの過去の職歴も参考になっているのかもしれません。実は市哉さん、佐々直に入社する前はIT企業や、会計関連の企業で経験を積んだのだそうです。築地など水産関連の会社での修行も考えたそうですが、ITや会計の技術や知識は今後必ず必要になると思い、あえて異業種を選んだのだとか。

「IT系は非常に忙しかったですが、技術面の勉強になりましたし、SEとして様々な企業に出向という形で常駐することで、多様な業種を見られたことも大きな学びになりました。会計は1年ほどの経験ではありますが、会社を動かすためには数字に強くないといけないという気持ちで選びました」

工場全体をまとめる立場にある市哉さんですが、作業の効率化などのお話をする時以上に表情が輝く瞬間があります。それは製品の「味」のお話をされている時。そこには、佐々直に入社した当時のこんな経験が隠されていました。

工場で焼きあがったばかりの笹蒲鉾

▲ 工場で焼きあがったばかりの笹蒲鉾

「最初に工場で働き始めて、自分達が作った商品を食べた時に“こんなに美味しかったのか!”とショックを受けたんです。子供の頃から、ずっと慣れ親しんでいたので、そんなに期待はしていなかったはずなんですが、焼きたてを食べた時に、こんなに美味しいんだと改めて気づいて、本当にびっくりしました」
佐々直で働き始めて、「一番印象に残ったこと」をお聞きした時に教えて頂いたのがこのエピソード。

だからこそ、今でも、伝統の味を守り「ずっと美味しいものを作っていく」という強い気持ちを持ち続けていらっしゃるのでしょう。

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