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企業レポート 被災地で頑張る加工屋さんをご紹介します

第77回宮城県末永海産株式会社

漁師の家系の誇りを胸に、
豊かな三陸の海から名品を生みだし続ける

宮城県石巻市にある末永海産は、昭和61年に現会長の末永勘二さんにより創業されました。末永家は代々、この地で牡蠣やわかめの養殖を行ってきた漁師の家系。勘二さんは漁師ではなく加工業者となりましたが、立場が違っても海や漁師への思い入れは強いといいます。

末永海産株式会社 代表取締役 末永寛太さん

▲ 末永海産株式会社 代表取締役 末永寛太さん

その思いは、勘二さんのご子息で現社長の寛太さんにも引き継がれ、震災後、人手不足で頭を抱えていた牡蠣生産者との「協業体制」を構築するに至ります。

「震災で漁師さんの数がそもそも減ってしまったし、養殖は何とか続けたけれど、内陸に引っ越したので、浜の目の前に住んでいた時に比べ仕事ができる時間も減っていました。だから、漁師さんも今までのようにむき身やボイルした状態で卸すことまでは出来なくなってしまって。だったら、ウチでその仕事を一部肩代わりしようと思って牡蠣の殻むきなどの一次加工をすることにしたんです」(末永海産株式会社 代表取締役 末永寛太さん、以下「 」内同)

日本で初めて生食用牡蠣での HACCPを取得

▲ 日本で初めて生食用牡蠣でのHACCPを取得

このことで、自社で一次処理をしたものについては、浄化時間、殻むきの担当者、かかった時間など全ての工程が管理できるようになりました。それは仕入の段階から製品として出荷するまできちんとトレースが取れるということであり、生食用牡蠣としては日本で初めてのHACCP取得に繋ったのです。

また、この仕組みができるまでは、養殖はしたものの市場が始まる時間までに殻むきなどの作業が間に合わず、商品になっていなかった牡蠣がありました。それらの牡蠣を殻つきのまま朝9時までに末永海産に卸すことで、生産者にはプラスアルファの収入が入ることになります。

もともと創業者の勘二さんが、わかめの業者とこのような協業を始め、その仕組みを寛太さんの代になって、牡蠣、ホタテ、ホヤなどに少しずつ広げていきました。

「父は漁師の家の出身だから、漁師の仕組みや、彼らの考え方がよくわかるんです。例えば牡蠣の養殖だったら、ロープ1本でいくら、という計算をする。だったら、ウチがどのくらいで買えば売ってくれるのかがわかる。自分は父のやってきたことを引き継いだだけですよ」

寛太さんは、そう謙遜されますが、人手不足の中、自社の負担を増やすのは簡単ではないはず。そう尋ねると「後継者不足が進む今、少しでも漁師が魅力ある仕事だと思ってほしいんです」という答えが返ってきました。このような仕組みは生産者にも歓迎され、今では末永海産専門に養殖をしてくれる人も出てきたのだそうです。

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