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企業レポート 被災地で頑張る加工屋さんをご紹介します

第70回宮城県富士國物産株式会社

浜との絆を強みに、
三陸産「金華わかめ」の魅力を伝えたい

富士國物産の創立者は現社長の実父である遠藤國太郎氏。もともと海苔を扱う個人商店に生まれた國太郎氏は、昭和35年頃から自身で事業を始め、海苔、わかめ、昆布など海藻全般の卸売をするようになりました。そして昭和42年に設立されたのが富士國物産です。

「実家が山國商店という名前だったんです。実家を越えるには富士だ、ということで富士國という名前をつけたと聞いています」(富士國物産株式会社 取締役 遠藤春美さん)

平成15年からは二代目となる遠藤祐二郎氏が社長となり、現社長の奥様である遠藤春美さんが取締役、春美さんの弟である鈴木徹さんが営業部長を務めています。

  • 取締役の遠藤春美さん
  • 営業部長の鈴木徹さん

▲ お話を伺った取締役の遠藤春美さんと、営業部長の鈴木徹さん

商売の基幹となっているのは塩蔵わかめの卸売。創業時からずっと三陸産の原料にこだわり続けてきました。三陸産のわかめは、身の厚みや歯ごたえ、香りなどが、他の産地のものとは全く違うのだそうです。その中でも特にランクが高いわかめを中心に、原料の買い付けをしています。

「宮城では最もおいしいとされ、ブランドとなっているのが十三浜のわかめです。十三浜は、北上川が太平洋に出逢う追波湾の入口に位置し、淡水と海水が適度に交じる場所です。海の栄養と北上川が運んでくる山の栄養が混じっているので、非常に美味しいし、栄養価も高いんです」(遠藤春美さん)

  • 三陸産のわかめ。色も黒々としていて身も厚い
  • 三陸産のわかめ。色も黒々としていて身も厚い

▲ 三陸産のわかめ。色も黒々としていて身も厚い

また市場での入札以外に、浜から直接買い付けをしているのも富士國物産の大きな特徴です。通常、市場で流通されるのは芯取りやゴミの除去などの作業をすべて行った「規格品」と呼ばれるもの。手間がかかっている分売値も高くはなりますが、生産するのに人手や手間がかかるため作業が追い付かず、せっかく採れたのに出荷できないわかめが出てしまうのだそう。そこで、富士國物産では、芯取りやゴミの除去などを行う前の半製品を浜で生産者から直接購入し、自社で加工して製品化しているのです。

「生産者から直接買えるのは、誰もができることではありません。先代からのつながりがあって、長年のつきあいがあるからこそ、売ってくれます。つながりのある生産者は20人くらいかな?マメに顔を出して、日頃から仲良くしています。だからわかめの生育状況も他社より早く聞けるし、値決めもシーズン初めにウチと生産者で相談して決めています。生産者の方々は完全な製品にならないものをウチが引き取るので助かると言われるし、ウチとしても安く買えるのでありがたいんです」(鈴木徹さん)

お互いが助けあいながら作り上げてきたこの関係は、生産人口が減った震災後は、双方にとってより「ありがたみ」を増しているそうです。このように仕入れた三陸産のわかめを富士國物産では「金華わかめ」と名付け、積極的に売り込んでおり、市場での反応も上々だそうです。

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