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企業レポート 被災地で頑張る加工屋さんをご紹介します

第66回宮城県ヨシエイ加工株式会社

フカヒレの「平干し」に詰め込む、海の恵み山の恵み

標高895メートルの室根山から吹き下ろす「室根おろし」は、北上山地の冷たく乾いた空気をふもとのまちに運んできます。この風は時に厳しい寒さをもたらしますが、一方で、良質な干物を作る源にもなっています。気仙沼名物のフカヒレも、天日干しのものは北西の風、室根おろしによって乾燥、熟成されているのです。

▲	フカヒレづくりを日夜研究する村上和子さん。村上芳二郎社長の長女でもある

▲ フカヒレづくりを日夜研究する村上和子さん。
村上芳二郎社長の長女でもある

乾燥機を使っての干し加工が増える中、ヨシエイ加工(宮城県気仙沼市)は今も天日干しにこだわっています。同社取締役管理部長の村上和子さんは、天日干しを続ける理由をこう語ります。

「決して他の方法を排除しているわけではありません。自分たちが作りたいものを実現するためにベストな方法は何かと考えた結果、いろいろな方法がある中で、現在の当社にとっては味もコストも天日干しが一番だということです」(村上和子さん、以下同)

その天日干しにもいくつかの方法があります。一般的に知られているのは、より早く乾く吊るし干し。しかしヨシエイ加工は乾きの遅い「平干し」を採用しています。天候次第ではフカヒレを腐らせてしまうリスクもあるというこの手法を採用しているのはなぜでしょうか。

「当社では基本的に、夏に仕入れて冷凍保管しておいたフカヒレを、11月から2月のおよそ3カ月の間、外で平干しにしています。その間、まんべんなく乾くように、2日か3日に一度はひっくり返さなくてはいけません。風が吹かない状態が続くとフカヒレを腐らせてしまうので、迅速な状況判断が求められますが、平干しでじっくり熟成させることでフカヒレの旨みや香りを引き出すことができます」

▲	定期的にひっくり返すことで、フカヒレはゆっくりと乾燥、熟成していく

▲ 定期的にひっくり返すことで、フカヒレはゆっくりと乾燥、熟成していく

平干し加工では、地面から上がってくる蒸気をフカヒレが吸うこともあります。「ただでさえ乾きにくい平干しなのに水分を吸ってしまっても大丈夫なのか」と思うところですが、村上さんによると、この現象もフカヒレをおいしくする要素の一つなのだとか。ずっと乾かしっぱなしでいるよりも、水分を吸ったり吐いたりして伸縮を繰り返したほうが、いいフカヒレに仕上がるのだそうです。

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